 | | 近所の八百屋の前にある空き地に浅いボール紙の箱が多数置いてあるのに気がつきました。 箱の中を見ると、まだ作りかけと思われる梅干をたくさん広げ、日に当てて干していました。店の女主人に訊ねたところ、長年のお客さんから頼まれた梅干を毎年このようにして作っているとのことでした。 |
 | | 世田谷には梅の名所がたくさんあり、それらの場所では花が咲いた後、しばらくすると梅の実がなります。私は梅園のある羽根木公園や馬事公苑でこの時期に梅の実を収穫しているのを見たことがあります。しかし、この梅干はそれら世田谷産ではなく紀州名産の「南高梅」を取り寄せて作ったものだそうです。 |
 | | やはり、発注主は、よく売れるようにブランド物の梅を使ったのでしょう。 普通、梅干は青梅と赤しその葉をいっしょに塩で漬け込みます。少し日数が経ってから、たるの中から梅だけを拾い出し、長時間乾燥させて梅干にします。残った赤しその葉もなかなか美味しいので、乾燥させて別途販売します。 |
八百屋の店先に広げられた梅干は相当な量で、初夏の日差しを浴びておいしそうな香りを放っています。
道を通りかかる人々が思わずボール紙の箱の中をのぞき込んで感嘆の声をあげ、これでお茶漬けがよいか、チュウーハイがいいかなどと話し合っていました。
梅干はもうかなり乾燥が進んでいるので、まもなくどこかのデパ地下などで販売されるのでしょう。南高梅を使った手作り梅干とあって、かなりいい値段で売られるのではないかと思います。 |
