深刻な大気汚染に苦しむ中国の大都市では、自動車の交通を制限しています。そこで、日本の「原付バイク」のようなガソリンエンジンによるオートバイが多数利用されています。
今度はそれら多数のオートバイによる排気ガス公害、騒音公害が大問題になりました。
その対策として、中国政府は簡易型の電動自転車の普及に乗り出しました。最高時速が20km未満でペダルを踏んで走行することもできる電動自転車は自転車と同等とみなして無免許で利用できるとしました。 |
| | それにより中国では電動自転車が流行し、上海では10台に1台ほどは電動自転車だそうです。 後輪のハブの中にモーターが内蔵されています。一応ペダルも付いていますが日本の電動自転車と違って乗り手が漕がなくても走ります。 |
| | 最近は左の写真のような日本のバイクに似た形状の電動自転車が安く販売されて人気を博しているそうです。 しかし、価格が安いので、粗悪品が多数出回っており、走行性能、直進性、ブレーキなどに問題が多いということです。 |
また、電動自転車の利用者も普通の自転車と同じような感覚で運転するので、電動自転車が関連する事故が絶えません。
中国の大都市では、電動自転車による事故死が四輪車による事故死を大きく上回ったということです。
それら電動自転車には通常鉛バッテリが使われますが、その鉛バッテリも粗悪品が多いため、1年ほどで使えなくなります。その廃バッテリがほうぼうで不法投棄され、廃棄物公害をひきおこしています。
政府は軽量で寿命が長く廃棄物公害をおこす恐れが少ないリチウム蓄電池を電動自転車に利用するように呼びかけていますが、リチウム蓄電池は価格が高いためなかなか普及が進まないということです。 |
| | 東南アジアでは、電車など交通機関がないか、あっても非常に本数が少ない地域が大部分です。
とあれば、国民はなにをするにもバイクを利用するほかありません。
バイクさえ所有していれば、道端で小商いをしたり、配達屋をしたりで、なんとか一家が食って行けるとのことです。 |
東南アジアでは、バイクは生きて行くうえで住宅より大事とされているそうです。上の写真のように小型バイクに小さな子供も乗せて3人乗り、4人乗りという光景もよく見られるとか。
それら大量のバイクがほうぼうで大量の排気ガスを出し、国民の健康を蝕んでいます。リチウム蓄電池が安くなれば電動バイクが東南アジアにも普及すると思われますが、それにはだいぶ時間がかかりそうです。 |